子供達の話をきいてもらう

しばらくすると、男の優しそうな職員の方がきてくれた。
子供に塗り絵やおもちゃを出してくれた。



塗り絵は鬼滅の刃ポケモン
どっちがいい?と子供に聞いてくれたが、子供達は今は塗り絵はやりたくないな~。と。
せっかく出してくれたのに申し訳ない。。。






そこに女性の職員の方がきてくれた。
「まずお子さん一人づつ個室で話をきかせてもらいますね。
そのあとお母さんね~。」
優しい口調でわたしも子供も安心した。





「まずお兄ちゃん、話を聞かせてくれるかな?」
と声をかけられると、長男はすぐにいいよー!と。元気に職員さんのあとについていき、奥の個室へと消えていった。







どんなことを子供に聞くんだろう。
大丈夫かな。。。
不安だった。





お兄ちゃんは10分くらいで帰ってきたと思う。
様子はいつもと変わらない。安心した。




その次は次男か呼ばれる。
次男はまだ年長さんだ。個室に一人で連れていかれるときに拒否したりぐずぐずしたらどうしよう。
だがそんなわたしの思いとは裏腹に、呼ばれるとなぜかいいよ~!とノリノリで職員さんについていき、個室へと消えていった。




このとき子供達が保健師さんに何を話したのか。
わたしか保健師さんと話をする番になり、そこで子供達が話をした内容も明かされた。

子供家庭支援センターへ

なかなか遠い道のりだったが、三人で子供家庭支援センターに行くことにした。
でも子供になんて言えばいいのだろう。




『どこに行くの?』と無邪気に聞いてくる次男。

『ママや2人のお話を聞いてもらうんだよ。』

理解しているような?していないような?感じだったが、一応納得してくれたようだ。



自転車では行けない距離だったので、タクシーで行くことにした。
ちょっと痛い出費だった。


着くと、思っていた施設とは違った。
親子が遊びにこれる楽しい児童館のような施設だった。そこに子供家庭支援センターとも書いてある。なんだか不思議な雰囲気だった。



中に入って名前を名乗ると、職員の方が対応してくれた。



室内のテーブルに案内してくれた。
そこにはところどころに遊具やおもちゃで楽しそうに遊ぶお母さんと子供達。
それをみて不思議な感じがした。
わたし達親子は、こんな平和な雰囲気の中にいていいのだろうか…。場違いな気がした。
ほんとにここでDVの話なんか聞いてくれるのだろうか…。


どんな方に話を聞いてもらうんだろう…。
不安ばかりが募ったが、子供を不安にさせてはいけない。
施設にある水槽をみてあーだこーだ言いながら子供に話しかけてみる。
そうやって気をそらすのに精一杯だった。

保健師さんに電話をする

旦那からもらった名刺に書いてある番号に電話してみることにした。





子供家庭支援センター?とはどんなところだろう…。
ちょっとドキドキする。






電話に出てくれたのはとても感じのよい女性の方だった。





その方からは、

『旦那さんから話を聞いています。
夫婦喧嘩をしてしまい、子供達への影響が心配ということで伺っています。
旦那さんからの話だけだと分からないので、奥様の話も聞かせていただけますか?
旦那さんが、子供達への影響も心配してました。
子供さん達も連れてきていただいて、一人一人話を聞かせてください。』





???
なぜかわたしも激しい夫婦喧嘩をして子供に悪影響を与えている奥さんということになってやしないか???
怒って怖がらせているのは旦那だけなのに!
とってもモヤモヤしてしまった…。



さらに保健師さんから
『わたし達は夫婦どちらかの味方につくとか、そういうことはありません。
子供の味方です。』




そうか、保健師さんがDV旦那を成敗してくれるわけではないのか。




日程を合わせて、わたしが二人の子供を連れて子供家庭支援センターに行くことになった。




わたしは何も悪いことはしていない。
全て話をしようと思った。

旦那 家庭支援センターにいく

旦那から朝の4時に足をひっぱり起こされ、話をして以来。
また話さない日々が続いた。



ある日突然旦那から連絡がきた。
(基本家でもラインで会話している)




指定された日にちは保健師さんの都合が悪くなった。
別の日に自分だけ話をしにいく。子供二人を連れていくのは無期限延期になった。





そうなんだ…。
とりあえず旦那だけ行ったようだ。




家庭支援センターでどんな話をしたのか?
わたしから聞いてもどうせ教えてくれないだろう。



話は義母が聞き出してくれた。

あまり多くは語らなかったようだが、DV更正施設を紹介してもらったり、カーっとなると感情が押さえられなくなる自分の悩み?を聞いてみもらったようだ。
詳しくはわからなかったが、旦那としては相当
勇気がいったと思う。
まあ当然の報いだし同情する気はさらさら無いけど。



その数日後、旦那からまたラインが。
そこにはこども家庭支援センターの保健師さんの名刺の写メが載っていた。



『ここに電話して。
子供二人をつれてあなたが家庭支援センターに出向いてほしいと。』



数日後、保健師さんに連絡を入れた。

旦那に朝の4時に叩き起こされる

話かけても無視され続けていたので、わたしから話かけるのをやめていた。



すると朝方4時に寝ていたら、いきなり右足を思いっきり引っ張られた。
心臓バクバクで飛び起きると、今から話をしてやるからリビングに来いとのこと。



わたしはびっくりしすぎてしばらく動機がして動けなかった。
どうやら眠れなくてイライラしていたらしい。




いくらイライラしているからといって、朝方4時に人の足を思いっきり引っ張って起こすなんて。
普通の人間ならやらない。
やはり旦那は一線を越えている。




リビングにいくと、ドカンとソファーに腰かけた不機嫌そうな旦那が話はじめた。




義母から聞いていた話は本当だった。
保健所から電話がかかってきて面前DVにあたるので子供の様子をみたいと。
本当に子供を子供家庭支援センターに連れていくらしい。



バカな旦那のせいで子供が巻き込まれてしまった。
自分ひとりでDV更正施設にいき、自分の心を入れ換えて出直してきてほしいと心底思った。

旦那とは話ができない

旦那とは相変わらず話はしていない。



わたしだって話はしたくないが、さすがに
子供を連れて保健所に行くことは旦那の口から聞きたかった。



ある日ソファーで夕飯を食べていた旦那に話かけた。
でも話かけると顔を強ばらせ、バッとその場を去り、玄関から出ていってしまった。




はい??
意味がわからない。




義母から、できればわたしから旦那に声をかけてほしいと頼まれていた。
(なんで私から声をかけなきゃいけないんだよ…。でも意地を張っていても仕方ない。子供が絡んでいるのだから)




あとから義母から聞いた話だと、わたしに話かけられるとちょっとしたことがキッカケになり、また気持ちが押さえられなくなり怒りのコントロールができなくなるのが怖い。
だから私とは一切話さないようにしていると。




。。。極端すぎる。そんなことしかできないのか。子供が絡んでいるのに!!!




怒りというより、呆れてしまった。



だがわたしは諦めず、何度か話しかけた。



ある日、旦那からこう言われた。


『いい加減俺に話かけるのやめてもらえる?


なんだろう。
この人はわたしへの暴力、子供への面前DVで保健所から目をつけられてるのに、なんでこんな態度なんだろう???



全く理解できなかった。

義母の焦り

義母はとにかく焦っていた。
旦那実家もまさか児童相談所までいくとは…
本当にびっくりしたようだ。
(実際は児童相談所ではなく、保健所だったが)



児童相談所、保健所、あと一つ忘れたが。この3つの機関であなたがた家族の今後をサポートさせてくださいとも言っていただいたようだ。



だか、義母はなんとしてでも旦那が子供を連れて話にいくのを阻止したいようだ。



義母がわたしにお願いをしてきた。
旦那が子供を連れていくこども家庭支援センターがわかったら、わたしから夫婦で話し合いして改善していくので、子供を連れていかなくても大丈夫ですと言ってもらえないか?と。



義母は孫である子供二人のことを心配してくれていることは間違いないと思う。
でもやはり、息子である旦那を守りたい気持ちが強いのだろう。



でも一つ、疑問があった。
なぜ子供が父親に怯えているとわかっているのに、その父親に子供二人を連れてこさせようとするのか?
実際、子供は父親と出かけるのを嫌がる。ささいなことでキレるため怖いのだ。



普通なら、妻であるわたしに電話がかかってきて事情を聞かれてもおかしくないのにな。と思ったのだ。




私が子供二人を連れていくほうがいいのではないか?




父親が連れていったところで、父親の顔色をうかがい、気を使って本当のことを子供は話さないかもしれない。



子供にはどんな話をきくのか?
いきなり父親にわけのわからない所に連れてこられ、個室に通され知らない大人から直球で質問されるのを想像すると可哀想になってしまった。